待ちに待った、福田和代の新作単行本です。
サスペンスというジャンルの中で、色々な題材で物語を書いている著者に感心します。
今回は自衛隊を中心にしたミリタリー・サスペンス(帯より)。
自衛隊と軍隊との違いというものを多少意識しつつも、とても楽しめる内容になっています。
主人公、遠野真樹が素晴らしいです。
ツンデレ要素を多く含みつつ、胆力と機転、優しさで様々な事態を乗り越えていきます。
もちろん一人ではなく、上司の力添えや同志の協力、あってのことですけれども。
それを得られるのも彼女の素質と努力によるものでしょう。
事件の重要人物、加賀山一郎に対して毅然とした態度を貫き、そのなかで彼の信頼(共感? 同意?)を得られたのも遠野真樹だからでしょう。
加賀山は信念に生きる素敵な人物です。
そして、それを苦にしない人物です。
そんな大人に、私はなりたいです。