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2011年6月9日木曜日

真夏の方程式  ‥‥夏の思い出

実はガリレオシリーズも特別な愛着があるわけではない。探偵ガリレオ
予知夢
は読んだものの、どんな物語があったか覚えていない。
容疑者Xの献身
ははっきりと物語を覚えているけど、ガリレオシリーズにする必然性は希薄。
ガリレオの苦悩
聖女の救済
は未読(TVドラマでブームになっていた最中での出版だったので、天邪鬼)。

TVドラマを観て以来、湯川のビジュアルが完全に福山雅治になってしまったのだが、もともとはもすこし年上をイメージしていた。

今回も事件そのものに、湯川が関わる必然性は薄い。
しかし、そこに恭平という少年が関わってくることで、物語は大きく変わりました。

物理学者でなくとも、大人は自分の仕事や好きな事に興味をもつ子供には、寛容というか、大事にしたくなるものです。
今回の湯川はまさしく、それだと思います。
最後の場面、湯川が恭平に語りかけるその姿は、とても印象深いものです。
この「真夏の方程式」という作品は、柄崎恭平という少年の一夏の思い出であり、冒険譚です。




2011年5月29日日曜日

麒麟の翼  ‥‥正しいことをやっていきたい。

有名な(?)加賀恭一郎シリーズの最新作。
といっても加賀恭一郎というキャラクターに、特別な愛着があるわけではないので、いつもの東野圭吾作品として楽しめた。

地道にコツコツと手がかりを集めていく加賀の姿勢は、見習なわなくてはいけませんね。
そして他の刑事たちが「スジ」を書いているのに対して、それを鵜呑みにしないのは、刑事の本来あるべき姿なのでしょう。

物語の半ばあたりから、犯人が八島ではないのかもしれないという流れになってからの加速感は、読んでいて気持ちがいいですね。
それまで散りばめられてきたヒントが見事に集約し、とても頷ける結末となります。

「生徒さんたちが正しく公式を覚えられるよう、指導してやってください」

加賀のこの言葉がとても気に入りました。



2010年10月9日土曜日

白銀ジャック  ‥‥今シーズンもスキーに行くよ

「人質は、雪の上にいるものすべて」
という帯の惹句に、壮大な犯罪物語を連想しました。
惹句に間違いはないけど、私の連想が間違っていただけでした。

それでも、安定した東野圭吾らしい物語です。
読みやすいし、関係の無いと思われた登場人物が上手くつながり収束するラストなどはさすがです。
脅迫する人物と脅迫手段を用意した人物が別という、今回の肝にも脱帽です。

なぜ倉田と絵留とくっつくのかわからない。
そんな流れ、あったっけ?
なぜ根津と千晶がくっつかないのか、わからない。
なんかいい感じだったのに。

そして一番の謎。

達樹の心の回復

それなりに段階を踏んでいるとはいえ、必然性がないというか、説得力に欠けるというか、腑に落ちませんでした。
残念です。






2010年7月14日水曜日

プラチナデータ  ‥‥やはり権力は特権なのね。

とても楽しめた物語です。

神楽と浅間のどちらが主人公なんだろうかと興味津々で読み進めていったのですが、両方でした。
DNA操作システムを挟んで表裏一体の立場で事件を調べて行きます。
もっとも神楽にとってはとばっちりというか、巻き込まれですけど。
ただ崖っぷちゆえ、戸惑いの中にも鬼気迫るものを感じられます。

人間の「心」は何処にある?
神楽、リュウ、スズランの三人の目(意識? 心?)を通して、描かれています。
深読みしなくてもスズランの存在が幻だということはすぐに気が付きます。
しかし彼女の出自には驚かされました。

心ってやはり脳の電気信号に過ぎないのかなあ。
それが個々人によって形成が異なるのかなあ。

こういったSF風味が少し入ったミステリーという東野圭吾の物語が好きだなあ。

それと帯の惹句の状態になるのが、全431頁の中で138頁。
惹句、行き過ぎだと思いませんか?

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