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2010年6月26日土曜日

夜行観覧車   ‥‥怖いです。

湊かなえ氏の新作。
告白」とは違った怖さのある物語です。

遠藤家、高橋家、二つの家族を中心とし、小島さと子という第三の人物をはさみ、物語は展開していきます。
基本的に24時間前後の出来事を、それぞれの視点から描いています。
ミステリではないので、そこにトリックはありません。
でもこういった描き方は、作者の得意とするところでしょう。
それぞれの心情がゆっくりと描き出されます。

物語の核は、

高橋妻が夫をなぜ殺したのか?


その理由です。
当然、明らかにされます。

とても怖いです。

なにが怖いって、ぜんぜん共感できないのが怖いです。
そして、作られた事件の真相との乖離。

男親は女親の心情を理解出来ないと痛感した物語でもあります。


一番理解出来ないのは、小島さと子の章。
彼女の存在は必要だけど、章として必要かどうかは疑問。
私が読み解けないだけかも知れないですけど。

2010年6月23日水曜日

モテキ  ‥‥あったらいいなあ。

TVドラマ化し、それに野波麻帆さんが出演するから、というのが動機。
しかも四巻なら手軽に読める。

主人公のフジがいろいろな女性に「好き」という気持ちを抱きつつも、劣等感などから右往左往する物語。
出てくる女性はおおよそ魅力的(好みはそれぞれ)なのに、一歩踏み出せないフジ。
読んでいて やきもきします。
かといって、自分だったら踏み出せるかというと、決してそんなことはなく。
手をつなぐのだって悩む始末です(おい、既婚者)。

相手は違えど、毎回毎回同じところをぐるぐる回っていて、最後にはとけてしまうんじゃないかと思いました。
しかし、ちゃんと最後に大きな一歩を踏み出したフジ。
そう、その一 歩がとても大事なんだよ。
中身は変わってなくても、成長してなくてもね。

相手の気持ちばっかり気にしていても駄目なんだよ。
自分の気持ちを伝えないと。
あっ、これ「気持ち」を「意見」に変えても通じるね。

心情描写が内面のセリフで表現されているのが、TVドラマにはあまり向いていないような気がします。
それでも観るけどね。

そうそう、私好みに色っぽく女性を描けているので、そこは◎。

2010年6月19日土曜日

好きの気持ち  ‥‥それはそれ、これはこれ。

先日のTwitterでちょっとやり取りしたことがきっかけで、しばらく考えていた。
私にはTUMAがいて、KODOMOがいます。
家族三人、仲良く暮らしています。

そんな私ですが、タレントの秋山奈々ちゃんが好きです。
仮面ライダー響鬼で初めて知ったのですが、その後、写真集を買ったり、舞台を観に行ったり、TVドラマを観たりしています。
先日はついに握手会に参加し、生の秋山奈々ちゃんに会い、手を触れてきました。
つぶやく手も振るえ、妙に鼓動が早くなりました。
こんなにもドキドキ出来ることがあるかって言うくらいで、自分でもびっくりでした。

また野波麻帆さんも好きです。
NHKドラマ鏡は眠らないに出演していたのをきっかけに知ったので、結構初期からのファンです。
彼女もそこそこ追いかけており、映画や舞台を観たり、月刊野波麻帆を買ったりもしています。
生は舞台で一回観ただけなのが、ちょっと残念。

最近ではゴーオンイエローこと逢沢りなちゃんや、ゴセイイエローことにわみきほ(丹羽 未来帆)さんなんかも可愛いですね。
もっとも追いかけるまでにはいたっていないですけど。

理想の女性は鮎川まどかさんです。
いや、二次元ですけどね。
今(けっこう前?)で言うツンデレですね。
彼女は最高。
だから黒髪のロングヘアー大好きですし、ポニーテールも大好きです。
きまぐれオレンジ★ロードはコミックスで全巻持っている上に、愛蔵版も全巻持っています。
表紙カバーが描きおろしというだけで愛蔵版を買ったって‥‥我ながら。


と思いつくままに好きな女性を列挙しました。
ちなみにこれらのこと、TUMAは全部知っています。
握手会でのことを興奮して報告する私を「ハイハイ」と軽く受け流します。

そのTUMAは、最近嵐、特に櫻井翔くんにお熱を上げています。
彼が表紙を飾ったことで話題になった女性誌、リアルで買うのが恥ずかしいからと、私のamazonプライムで買いました。
それ以来、amazonのお勧めに妙なのが入り込んでくるのは、また別の話。
以前は小栗旬、小栗旬と言っていたけど、最近は沈静化しています。
あとW杯が始まったので、四年に一回のベッカムイヤーになっています。
日本代表では長友選手がお気に入り。

また、食事に入った店などで、お気に入りの容姿なり雰囲気の人がいるとお互い意見し合います。
「顔はかわいいけど髪型が今一」とか「あんな顔に憧れる」とか。
そりゃあ、自分達のことは棚にあげて、忌憚なく。

何を言いたいかというと、二次元三次元の女性への好きとTUMAへの愛情とは、全く別物なんです。
どんなに好きという気持ちが大きくなっても、それはそれで、せいぜい写真集を大人買いして握手会での特典を良いものにする程度です。
もっともTUMAへの愛情が大きくなっても、スイートテンダイヤモンドなどには発展しませんけど。
TUMAには無償で無形の愛を惜しみなく送っているのです。

私の青春の教科書、きまぐれオレンジ★ロードにもあります。

Like or Love ?

ここには、越えられそうで越えられない、大きな隔たりが有るのです。

2010年6月14日月曜日

オーディンの鴉  ‥‥スーパーハッカーは存在しない。

私の中で福田和代氏の小説は、既に必ず読むものになっていて、書評なども避けておくものです。帯やカバーの惹句だけが予備知識です。

その為か前半四分の一位は、何が起こっているのか見えず、もどかしい状態でした。
しかし瓶子が登場し、「オーディンの鴉」という単語が出てきてから、徐々に加速していきます。
そして安見の

今夜の収穫、期待してください。

という電話と、彼の死。
一気に物語が進み、主人公の湯浅が家族を守るために全力を尽くし、終幕を迎えました。

正直、どんな風に物語が終わるのか全く予想出来ませんでした。
「とかげの尻尾切り」で終わり、あわよくば第二部、第三部へと繋げるのでは?
なんて考えも浮かびました。
それを全世界にその存在を知らしめることで、解決するとは。
脱帽です。

この作品、TwitteやFrickr、YouTubeなどここ1〜2年で時流に乗ったサービスを上手く取り入れているのが心にくいです。
私自身もTwitterなどでそれなりに個人情報を晒していますし、amazonにはお世話になりっぱなしです。
だからオーディンの鴉が存在すれば、確実に滅びますね。
そうならない社会になることを祈ります。


たったあれだけの情報で、ひとりの人間の何がわかるものかと僕は思うんです。

作品中で一番重いと感じた言葉です。




それとプロメテウス・トラップ でスーパーハッカーの存在を描き、このオーディンの鴉でスーパーハッカーの存在を全否定しているのが、個人的には面白いです。

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