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2010年6月14日月曜日

オーディンの鴉  ‥‥スーパーハッカーは存在しない。

私の中で福田和代氏の小説は、既に必ず読むものになっていて、書評なども避けておくものです。帯やカバーの惹句だけが予備知識です。

その為か前半四分の一位は、何が起こっているのか見えず、もどかしい状態でした。
しかし瓶子が登場し、「オーディンの鴉」という単語が出てきてから、徐々に加速していきます。
そして安見の

今夜の収穫、期待してください。

という電話と、彼の死。
一気に物語が進み、主人公の湯浅が家族を守るために全力を尽くし、終幕を迎えました。

正直、どんな風に物語が終わるのか全く予想出来ませんでした。
「とかげの尻尾切り」で終わり、あわよくば第二部、第三部へと繋げるのでは?
なんて考えも浮かびました。
それを全世界にその存在を知らしめることで、解決するとは。
脱帽です。

この作品、TwitteやFrickr、YouTubeなどここ1〜2年で時流に乗ったサービスを上手く取り入れているのが心にくいです。
私自身もTwitterなどでそれなりに個人情報を晒していますし、amazonにはお世話になりっぱなしです。
だからオーディンの鴉が存在すれば、確実に滅びますね。
そうならない社会になることを祈ります。


たったあれだけの情報で、ひとりの人間の何がわかるものかと僕は思うんです。

作品中で一番重いと感じた言葉です。




それとプロメテウス・トラップ でスーパーハッカーの存在を描き、このオーディンの鴉でスーパーハッカーの存在を全否定しているのが、個人的には面白いです。

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