湊かなえ氏の新作。
「告白」とは違った怖さのある物語です。
遠藤家、高橋家、二つの家族を中心とし、小島さと子という第三の人物をはさみ、物語は展開していきます。
基本的に24時間前後の出来事を、それぞれの視点から描いています。
ミステリではないので、そこにトリックはありません。
でもこういった描き方は、作者の得意とするところでしょう。
それぞれの心情がゆっくりと描き出されます。
物語の核は、
高橋妻が夫をなぜ殺したのか?
その理由です。
当然、明らかにされます。
とても怖いです。
なにが怖いって、ぜんぜん共感できないのが怖いです。
そして、作られた事件の真相との乖離。
男親は女親の心情を理解出来ないと痛感した物語でもあります。
一番理解出来ないのは、小島さと子の章。
彼女の存在は必要だけど、章として必要かどうかは疑問。
私が読み解けないだけかも知れないですけど。
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