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2011年5月15日日曜日

改訂 原子力安全の論理  ‥‥表題通りの納得行く内容でした

誰かのブログなのか、新聞の広告なのか。
どうしてこの書を知ったのか覚えていないけれど、図書館で順番が回ってきたので読みました。

この本は、原子力発電に関しての原理や安全性を評価した物ではありません。
安全とは、どういったものか。
安全を評価するとは、どういったことなのか。
安全について、どの様に考えていくのか。
そういった考え方を示してくれる本です。

もちろん読めば誰にでもわかるというものではなく、かと言って科学の知識が必要という事はありません。
必要なのは、たった一つ。

文章を理解する能力

これだけです。






以下、気になった言葉などを引用。

82頁

セーフティ・カルチュアと言うものは、本質的には当事者の心の問題なのであるが、これがチェルノブイリ事故と言う悲惨な経験から得られた最大の教訓であり、今や原子力安全のバックボーンであると認識されている。
これは原子力に限っただけ話ではなく、どんな分野にも言えることですね。
常に安全を確保することは大切だけど、どこで線を引くのか?

104頁
だが、先に述べた原則に従えば、もしこのような「自主検査」が安全上必要なことならば、それは法令に書かれようと書かれまいと、事業者の責任の範囲内なのである。それをわざわざ法令で規定しなければならなかったとすれば、これは事業者にとては決して名誉なことではない。
どんなことでも当たり前のことを当たり前に行うことは大切ですね。
それを怠ったとき、よくないことが起こるものです。

152頁
すなわち、事故と言うものは、それが現実に発生する時は、常に「不測の事故」である。
確かに「想定内」のことは事故ではないですよね。
想定内であったとすれば、未然に防げるはずですね。

304頁
このように見れば、私たちが取り組まなければならない問題も明快である。まず、機械では置き換えられない人間の能力をいかにすれば最大限に発揮できるのか、それを踏まえて、神ならぬ人間が犯すかも知れない誤りをいかに防止し修正するか、そしてこれを人間と機械が共存する場、すなわちマン・マシン・システムでいかに具現化していくか、ということである。
人間と機械との接点。マン・マシン・システムであったり、UIであったり。
機械がいかに優秀であっても、ここが弱いとその力を引き出せなくなりますね。

331頁
このマインドセットというのは、ある一つの判断あるいは先入観に固執して、これと矛盾する情報を受け付けなくなる状態である。

一つのことに集中してまわりが見えなくなることってありますよね。
そんな状態のこと。
事故に対応するときには、この状態にならないように備えたいものです。

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