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2012年8月17日金曜日

スリーピングタイト  ……他人の不幸は蜜の味で因果応報もなし

合鍵を自由に使える管理人のセサルが、美女クララの部屋に忍び込んで、いろいろな活動をする。
そんな非合法行為を主軸にした映画。
公式サイトにあるStoryを読んだ所、私は「最初は恐る恐る、次第に大胆に忍び込むようになって物語が進んでいく」という印象を持ちました。
しかし、甘かったです。
もう初っ端から忍び込んでいます。
クララの横で、セサル起床(朝5:00)。

後悔などする様子もなく、罪悪感の片りんも見せずに、セサルは行動しています。
クララの不幸が、彼の幸せなのです。
彼女の歯ブラシで、歯磨きをするなど些細なこと。
虫嫌いな彼女の部屋に、虫を集めたり。
私は、こういったことに喜びを見いだせないので、セシルの行動は理解不能。
どこに喜びを見出しているのか、全然分かりません。


他人の不幸は蜜の味

この点は、共感できます。
積極的に他人を不幸に貶めることはしないけれども、他人と自分を比べて自分が「良い」状態にいると、やはりうれしくなってしまいますから。
行動は理解できないけれども、その動機は理解できると言ったところです。

セシルが病床の母親をお見舞いに行く場面が、何度かありました。
病床と言いましたが、病気ではなく、老衰かもしれません。
とにかく、病院のベッドで横になっており、医療機器につながれていて、会話が満足にできない状態です。
母に、日々のクララとの行動を報告しています。
母親との確執、もしくは母親の存在そのものが、セシルを異常な行動に駆り立てているのかと思いましたが、結局何の説明もなし。
もう少し絡みがあると思ったのですが、もしかしたら私が読み解けなかっただけかもしれません。

セシルのような主人公は、因果応報とばかりに、悲劇的な結末を迎えるものです。
逮捕されたり、命を落としてしまったり。
でも、彼は違います。

本懐を遂げた上に、自由のままです。
全然予想できなかった結末でした。
奇妙ではあるものの、面白かった映画です。

この映画はスペイン映画で、私にとって印象に残っているスペイン映画と言えば、オープン・ユア・アイズです。
トム・クルーズ主演、バニラ・スカイバニラ・スカイ (字幕版)の元ネタです。
スリーピングタイトもハリウッドでリメイクされるかな?

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