剣と魔法のファンタジーがミステリとして仕上がっていることに驚き。
ファンタジー世界だけれども、ちゃんと世界のルールの中で謎解きされています。
その上、剣と魔法の醍醐味である戦闘場面まであります。
血湧き肉躍る戦いです。
物語は、殺された領主、ローレントの娘である、アミーナ嬢の視点で進められていきます。
探偵は異郷の騎士ファルク、助手は彼の従士ニコラです。
これがなかなか重厚です。
ファンタジーとはいえ所謂ハイファンタジーでなく中世ヨーロッパを舞台としているせいでしょう。
とても泥臭い描写もあり、とても楽しめます。
この三人以外にも、魅力的な人物がたくさん出てきます。
それこそ、騎士団や遍歴騎士、吟遊詩人など彼ら一人を取り上げてミステリ物語を一つ作れるほどです。
私には予想外の終り方です。
剣と魔法の楽しみが最高潮に達したと思ったら、即ミステリの最高潮でした。
堪能できました。
それとあとひとつ。
この本には目次があって、章や節それぞれに名前が付けられています。
そのため、解答編で明かされた事実を遡って確認するときに、該当部分を探し出しやすくなっています。
ミステリでこの配慮(?)はとても嬉しい。
0 件のコメント:
コメントを投稿