読み終えて、鳥肌が立つ思いでした。
静かな迫力を持った物語です。
物語冒頭、堂島昭と橋爪行雄のそれぞれに関わる事件が出てきます。
その両方に刑事の香西が関わっていくのですが、どちらかが主になって、もう一方は最後に伏線回収のような形で収束するのだろうと思って読み進めて行きました。
ところが、中盤で予想外に交わり、新たに「怪物」たる真崎亮の物語が生まれました。
真崎という人物が、これまた無味無臭というか、淡白なんですよね。
それゆえに、恐ろしいです。
幼少時の事件が、彼を怪物にしたのだろうけど、その過程がほとんど描かれていません。
彼の経歴や過去にほとんど触れられていないのは、多分、彼が自分自身にも興味がないからなんでしょう。
死んでないから生きているだけ。
それ故、成長もないという事だと思います。
そして香西すらも怪物に取り込まれていくとは、思いもよらなかったです。
前作、タワーリングが軽快な内容だっただけに、迫力がありました。
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