タイトル通り、多くの若者ホームレスが登場している(もちろん仮名)。
仮名だけれども、馴染みのある姓名というかたちで書かれていると、真実味、現実感が増して来る。
20〜30代を若者として定義している。
そのうえで現実を伝え、家族との関係、仕事との関係を伝えている。
そしてホームレス脱出の光明を最後に示している。
正直、仕事というものは探せばいくらでも有り、より好みしなければすぐに働けるものだと思っていた。毎週末には新聞に求人広告が入っているし、街のそこここでアルバイト募集をしているからだ。
しかし本書を読んで、それは甘い考えだと知らされた。
自分を保証してくれるもの(保証人であったり、免許証であったり)が無いことには、どうしようもないのだと。
セーフティネットが弱いと言われている日本において、その網から落ちてしまわないようにする事こそが、一番大切なのだろう。
一番印象に残ったのは111頁からの文章。
”ホームレス(homeless)”には、住居がない(houseless)という意味だけでなく、拠り所となる家族(home)がないという意味も含まれている。つまり単純に住居や仕事を得られたとしても、家族(home)がなければ、ホームレス状態に変わりはないのだ。
家族がいる私は幸せだ。
もちろんこの本を読む前から幸せを感じていた。
しかしこの本を読んで、この幸せを維持していくことがとても大切だと思った。
KAZOKUやKODOMOをホームレスにしないために。
残念ながら、他の人を助ける余力は、ない。
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